こんにちは。鈴木貴之です。

長いコピーと短いコピー、どちらが効果的なのか。

これは昔からコピーライティングの世界で議論されてきたテーマ。

長いコピーは、商品やサービスの価値を詳しく説明できる一方で、最後まで読んでもらえない可能性があります。

短いコピーは、簡潔で伝わりやすい一方、伝えられる情報が限られます。

どちらがよいかは、商品や顧客、媒体によって違う。

これが一般的な結論だったと思います。

しかし、最近AIを使っていて、私はこの議論の前提そのものが変わり始めているのではないかと考えるようになりました。

AIが長い文章を要約してくれるのであれば、最初から情報を短くする必要はあるのでしょうか?

そして、もう一つ。

AIが顧客に代わって商品やサービスを比較するようになったとき、短いコピーだけで、その事業者の本当の価値を理解できるのでしょうか?

今回は、この疑問から考えた「AI時代のコピーライティング」について書いてみたいと思います。

その中で、AI時代にこそ必要な「WWPF」というフレームワークも紹介します。

長いコピーと短いコピー、どちらが有利なのか?

従来、長いコピーには明確な弱点がありました。

読むのに時間がかかることです。

どれほどよい内容でも、読んでもらえなければ意味がありません。

だからこそ、短いコピーで興味を引き、できるだけ簡潔に価値を伝えることが重視されてきました。

もちろん、これは今でも重要です。

ただ、AIが普及すると事情が少し変わります。

例えば、ある英会話教室のWebサイトに、指導方針、具体的なレッスン方法、生徒の成長事例、保護者の声などが詳しく掲載されていたとします。

その文章が非常に長かったとしても、顧客はAIにこう頼めます。

「この教室の特徴を簡単にまとめて」
「ほかの英会話教室との違いを教えて」
「うちの子どもに合っているか判断して」

AIは、参照できる情報の範囲で、必要な内容を抽出して説明できます。

つまり、長い文章を最初から最後まで読まなくても、顧客は必要な情報を得られる可能性があるわけです。

では、反対はどうでしょうか。

短いコピーしか存在しない場合。

例えば、「楽しく学んで、英語が話せるようになる!」というコピーしかなかったとします。

AIに「なぜ、この教室なら英語が話せるようになるの?」と質問しても、コピーの中に答えがありません。

AIは一般的な英語教育の知識を使って説明を補うことはできます。

しかし、その教室が実際に何をしているのか、どのような成果が出ているのかまでは、情報がなければ正確に説明できません。

ここに重要な違いがあります。


長いコピーは短くできますが、短いコピーから、書かれていない事実を正確に復元することはできません。


情報の変換には、このような非対称性があるのです。

もちろん、長ければよいという話ではありません。
中身のない文章をいくら長くしても、価値は増えません。

重要なのは、顧客の判断に必要な情報が十分に存在していること。

そしてAIによって、その豊富な情報を短く利用することが容易になってきた。
私は、ここに大きな変化があると思っています。

短いコピーが抱えていた根本的な弱点

もう一つ、短いコピーには以前から弱点があったと思います。

それは、事業者の主張だけで終わってしまいやすいことです。

例えば、次のようなコピーを見たことはないでしょうか。

「一人ひとりに寄り添うサービス」
「お客様の悩みを根本から解決」
「本当に使える英語力を育てます」
「あなたに最適なご提案をします」

どれも悪い言葉ではありません。
しかし、これだけでは競合との違いがわかりません。

なぜなら、ほかの事業者も同じことを言えるからです。

例えば、英会話教室が「本当に使える英語力を育てます」と主張していたとします。
保護者が知りたいのは、そこで終わりではないはずです。

「なぜ、その教室なら英語が使えるようになるの?」
「実際にどんなレッスンをしているの?」
「本当に成果が出ているの?」

こうした疑問が出てくるでしょう。

ところが、短いコピーでは、そこまで説明するための分量がありません。
結果として、顧客は複数の事業者の主張を比較することになります。

A教室は「楽しく学べる」
B教室は「一人ひとりに合わせた指導」
C教室は「使える英語が身につく」

どれも魅力的に聞こえますが、具体的に何が違うのかはわかりません。
これでは、最終的に価格や立地、知名度など、比較しやすい条件で選ばれる可能性があります。

本来は指導方法や教育方針に違いがあったとしても、それが伝わっていなければ、顧客にとっては存在しないのと似た状態になってしまいます。

事業者に違いがないのではなく、違いを判断するための情報が足りない。

私は、この問題がAI時代にはさらに重要になるのではないかと考えています。

AIは何を材料に事業者を比較するのか?

例えば、保護者がAIにこう相談したとします。

「子どもが英語を習っていますが、単語は覚えられても、自分で英文を作れません。どんな英会話教室が向いているでしょうか?」

この質問には、単に「英会話教室を探している」以上の情報が含まれています。
子どもの現在の状態があり、解決したい課題があります。

AIが教室を比較するなら、その課題に対応できる指導方法を持っているかどうかが、重要な判断材料になるはずです。

では、教室のWebサイトに、「楽しく英語が身につきます!」としか書かれていなかったらどうでしょうか。

その教室が課題に対応できるか、判断する材料が不足しています。

一方、別の教室が次のような説明をしていたとします。

「当教室では、英文を作れない生徒に対して、すぐに正解を教えるのではなく、主語や時制、語順などに気づけるようなヒントを与え、自分で英文を組み立てる練習をしています」

これならどうでしょうか。

少なくとも、先ほどの保護者が抱えている課題と、教室が実際に行っている指導との関係を検討できます。

さらに、その指導によって生徒がどのように変化したのか、具体的な事例があれば、判断材料は増えます。

ここで重要なのは、単に情報量が多いということではありません。

顧客が抱えている問題と、事業者が実際に提供している解決方法を結びつけられることです。

そして、この情報は人間にとってもAIにとっても重要です。

人間が読めば、なぜその教室が自分の子どもに合いそうなのかを理解できます。
AIが参照すれば、顧客の質問に合わせて、その教室の指導方法を説明する材料になります。

もちろん、AIが必ずその教室を推薦するわけではありません。
AIがどの情報を参照するか、どのような基準で比較するかは、利用するサービスや質問によって異なります。

また、Webサイトに長い文章を書けば、AI検索で有利になると証明されているわけでもありません。ただし、そもそも情報が存在しなければ、その情報を使った正確な比較はできません。

私は、この点が重要だと考えています。

さらに、AIは顧客ごとに異なる文脈で情報を利用できます。

ある保護者は英検の実績を重視する。
別の保護者は英語嫌いの改善を重視する。
また別の保護者は、長く通い続けられる指導方針を重視する。

事業者がそれぞれについて具体的な情報を公開していれば、AIは顧客の関心に応じて異なる説明を組み立てられる可能性があります。

これは、一つの短いコピーだけでは実現しにくいことです。

そして、ここで大切なのは、単に問い合わせを増やすことではありません。
自社の考え方や提供方法に合う、理想の顧客を集められるかどうかです。

場合によっては、詳しい説明を読んだ結果、「自分には合わない」と判断する人もいるでしょう。しかし、それも必ずしも悪いことではありません。

事業者と顧客のミスマッチを減らせるのであれば、むしろ望ましい結果かもしれません。

AI時代のコピーライティング「WWPF」

では、AI時代には、どのような情報を用意すればよいのでしょうか。

今回、AIとの対話を通じて、私は4つの要素に整理してみました。

それが「WWPF」です。

これは、既存のコピーライティング理論をそのまま紹介するものではなく、今回の議論をもとに整理した実務用のフレームワークです。

W:What ― 何が手に入るのか?

最初は、顧客が得られる成果です。
商品やサービスの機能ではなく、それを利用することで何が変わるのか。

例えば、英会話教室なら、「外国人講師が教えます」という特徴ではなく、「自分の考えを英語で伝えられるようになる」という成果です。

もちろん、成果を約束できる範囲には注意が必要です。
大切なのは、顧客が何を期待して選ぶのかを明確にすることです。

W:Why ― なぜ、それが実現できるのか?

ここが今回、最も重要だと考えている部分です。
成果を主張するだけでなく、なぜその成果につながるのかを説明します。

つまり、メカニズムです。

ただし、ここには一つ注意があります。

事業者にいきなり、「なぜ、それが実現できるのですか?」と聞いても、よい答えが返ってくるとは限りません。

「長年の経験があるからです」
「お客様を大切にしているからです」
「独自のノウハウがあるからです」

といった抽象的な説明になりやすいからです。

そこで、私は質問を変えたほうがよいと考えています。

「それを実現するために、今具体的に何をしているんですか?」

この質問です。

実際の行動を聞くことで、事業者が普段どのような判断をし、何を工夫しているのかが見えてきます。そして、日々の行動には、その事業者の考え方や信念が表れていることがあります。

本人は特別だと思っていない行動が、実は競合との違いになっているかもしれません。
ただし、実際に行っていることが、そのまま成果を生むメカニズムだとは限りません。

行動を確認した上で、なぜその行動が成果につながるのかを考え、必要に応じて検証することが重要です。

P:Proof ― それは本当なのか?

次は裏付けです。

どれほど魅力的な主張やメカニズムがあっても、実際に成果が出ているかどうかは別問題です。

そこで、顧客の声、具体的な事例、実績、データなどを確認します。

例えば、「英語が話せるようになる」という主張に対して、「実際にどのような場面で英語を使えるようになったのか」という事例があれば、顧客は成果をイメージしやすくなります。

ただし、成功事例があることと、誰にでも同じ成果が出ることは違います。
また、成果が出たことと、説明したメカニズムがその原因だったことも同じではありません。

この区別は重要です。

F:Fit ― 誰に適しているのか?

最後は適合性です。

どれほど優れた商品やサービスでも、すべての顧客に適しているとは限りません。

例えば、英会話教室でも、「英語に触れて楽しく過ごす時間を重視したい」という保護者と、「英語を理解し、自分で使える力を育てたい」という保護者では、求めているものが異なります。

どちらが正しいという話ではありません。

大切なのは、自社がどちらの期待に応えられるのかを明確にすること。

Fitを説明することで、顧客は自分に合っているかどうかを判断できます。
AIにとっても、顧客の希望と事業者の特徴を照合する材料になります。

ここまでをまとめると、WWPFは次の4つです。

要素問い
What何が手に入るのか?
Whyなぜ、それが実現できるのか?
Proofそれは本当なのか?
Fit誰に適しているのか?

この4つは、顧客が商品やサービスを選ぶための判断材料です。
そして、AIが顧客の代わりに情報を整理する場合にも、重要な材料になり得ると考えています。

最も難しいのはWhyである

WWPFの中で、私はWhyが最も難しいと思っています。

Whatは比較的簡単。
顧客が得られる成果を考えればよいからです。

もちろん、それを正確に定義することは簡単ではありませんが、少なくとも多くの事業者は「こうなってほしい」という成果を語れます。

Proofも、実績や顧客の声があれば整理できます。

Fitも、実際に満足している顧客の特徴を分析することで、ある程度見えてきます。

しかし、Whyは違います。

なぜ自社の仕事がその成果につながるのかを、具体的に説明しなければならないからです。

例えば、あるサロンが、「お客様一人ひとりに合わせた施術をしています」と説明していたとします。

そこで、「具体的に何をしているんですか?」と聞きます。

すると、「最初のカウンセリングで生活習慣や普段の悩みを詳しく聞いています」という答えが返ってくるかもしれません。

さらに聞きます。

「その話を聞いて、施術の内容をどのように変えているんですか?」

すると、「肌の状態だけでなく、普段のお手入れ方法も確認して、施術内容や自宅でのケアの提案を変えています」といった具体的な行動が見えてきます。

ここまで来ると、「一人ひとりに合わせた施術」という抽象的な主張が、実際の行動として理解できるようになります。

さらに、「なぜ、その方法を採用しているんですか?」と聞けば、その事業者の考え方が見えてくるかもしれません。

例えば、施術の時間だけでなく、日常生活も含めて肌の状態を考えることを大切にしているのかもしれません。

ただし、ここで終わってはいけません。

その方法によって、実際に顧客にどのような変化が生まれているのかを確認する必要があります。もし成果が確認できれば、単なる理念ではなく、行動と成果を結びつけた説明に近づきます。

逆に、成果が確認できなければ、そのメカニズムはまだ仮説です。
私は、ここを曖昧にしないことが重要だと思います。

また、実際にやっていることを聞く意味は、単にメカニズムを説明するためだけではありません。

事業者自身が気づいていない価値を発見することにもつながります。
本人にとっては当たり前のことでも、ほかの事業者が同じことをしているとは限りません。

そして、その行動が顧客にとって重要な価値を生んでいる可能性もあります。

つまり、コピーライティングの前に、事業者が実際に提供している価値を発見する作業が必要になるのです。

私は、AI時代だからこそ、この作業の重要性が高まるのではないかと考えています。

AIは魅力的な言葉を作ることが得意。
しかし、実際に行っていないことや、存在しない実績を、事業者の本当の価値として扱うことはできません。

AIが誰でも使えるようになるほど、きれいな主張を作ること自体では差がつきにくくなるでしょう。


そのときに重要になるのは、主張の背後にある具体的な行動と、そこから生まれている価値なのではないでしょうか。

ここまでは、AI時代のコピーライティングについて、考え方を整理してきました。
ここからは、WWPFを実際の事業に当てはめる方法を紹介します。

特に重要なのは、AIにいきなりコピーを書かせないことです。

まず、事業者が実際に何をしていて、それがどのような価値につながっているのかを確認する。

その上で、AIを使って整理し、顧客に伝わる文章へと変えていきます。

WWPFを使って自社のコピーを診断する

WWPFを使うとき、最初から4つの項目を埋めようとする必要はありません。

特に、Whyについては注意が必要です。

事業者に「自社の強みは何ですか?」と聞くと、本人がすでに強みだと思っていることしか出てこない場合があります。

しかし、本当に価値を生んでいる行動が、本人の認識している強みと一致しているとは限りません。

そこで、私は次の順序で確認することをおすすめします。

ステップ1:顧客に何が起きたのかを確認する

まずはWhatです。

ただし、ここでは理想論ではなく、実際の顧客の変化から考えます。

例えば、

「サービスを利用する前、お客様はどのような状態でしたか?」
「利用した後、何が変わりましたか?」
「その変化は、お客様にとってどのような意味がありましたか?」

と質問します。

ここで重要なのは、事業者が提供した機能ではなく、顧客に起きた変化を確認することです。

例えば、「月4回の英会話レッスンを提供した」というのは事業者の行動です。

「以前は英文を自分で作れなかった生徒が、少しずつ自分の考えを英語で表現できるようになった」というのは顧客の変化です。

この違いを意識します。

ステップ2:その成果のために実際に何をしたのかを確認する

次にWhyの材料を集めます。

ここで使う質問が、

「それを実現するために、今具体的に何をしているんですか?」

です。

この質問では、抽象的な理念ではなく、実際の行動を聞きます。

例えば、

「どのような順番で進めていますか?」
「お客様の状態によって、何を変えていますか?」
「どんなときに、どのような判断をしていますか?」
「逆に、あえてやらないことはありますか?」

といった質問です。

特に「あえてやらないこと」は重要です。
事業者の考え方や信念は、何をするかだけでなく、何をしないかにも表れるからです。

例えば、ある教室が全員参加型の季節講習を実施していないとします。
それだけでは単なる運営方針です。

しかし、その理由を聞くことで、通常レッスンを重視する考え方や、子どもの学習・生活に対する判断基準が見えてくるかもしれません。

ただし、その方針が実際に顧客の成果につながっているかは、別途確認する必要があります。

ここで発見したいのは、きれいな理念ではなく、実際の判断と行動に表れている事業者の特徴です。

ステップ3:なぜその行動をしているのかを確認する

具体的な行動がわかったら、次にその理由を聞きます。

「なぜ、その順番で進めているんですか?」
「なぜ、その方法を選んだんですか?」
「ほかの方法ではいけないのでしょうか?」

この段階で初めて、Whyを深掘りします。順序が重要です。

最初から理由を聞くと、事業者が信じている説明に引っ張られる可能性があります。
しかし、実際の行動を確認してから理由を聞けば、具体的な仕事に基づいて考えることができます。

ここでは、事業者の信念や判断基準が見えてくることもあります。
ただし、その説明が実際の成果を生む理由として妥当なのかは、まだ確定していません。

必要に応じて、ほかの事例や専門的な知見と照合します。

ステップ4:成果を裏付ける材料を確認する

次にProofです。

「その方法で、実際にどのような成果が出ましたか?」
「具体的な事例はありますか?」
「顧客自身は、どのような変化を感じていますか?」
「同じような成果が出た事例は、ほかにもありますか?」

ここでは、できるだけ具体的な情報を集めます。
ただし、顧客の声や成功事例だけで、因果関係まで証明できるわけではありません。

例えば、ある指導方法を採用している教室で英検合格者が出ていたとしても、その指導方法だけが合格の原因だったとは限りません。

生徒自身の努力や家庭学習など、ほかの要因も考えられます。
だからこそ、確認できた事実と、事業者が考える成功理由を分けて整理します。

この区別が、信頼できるコピーを作る上で重要になります。

ステップ5:どの顧客に適しているのかを確認する

最後にFitです。

ここでは、単にターゲットの年齢や性別を決めるのではありません。

「どのような課題を抱えている顧客に、この方法が適しているのか?」
「実際に満足している顧客には、どのような共通点があるのか?」
「反対に、期待に応えにくいのはどのような顧客か?」

を確認します。

例えば、丁寧にカウンセリングを行い、生活習慣の改善まで提案するサロンがあったとします。その場合、施術だけでなく、日常のケアも含めて改善に取り組みたい顧客とは相性がよいかもしれません。

一方、できるだけ短時間で施術だけ受けたい顧客には、必ずしも適していない可能性があります。

どちらがよい顧客という話ではありません。
自社の提供方法と、顧客が求めているものが一致しているかどうかです。

このFitを明確にすることが、理想の顧客を集める上で重要になります。

AIを使ってWWPFを整理する実践プロンプト

ここまでの情報が集まったら、AIを使って整理していきます。
ただし、最初から「売れるコピーを作ってください」と指示することはおすすめしません。
なぜなら、情報が不足していても、AIはもっともらしい文章を作れてしまうからです。

まずは、事業の実態を整理することを優先します。
以下のプロンプトは、AIとの対話を通じてWWPFを整理するためのものです。

WWPF診断プロンプト

以下をコピーして、ChatGPTなどのAIに入力してください。


あなたは、小規模事業者の提供価値を発見し、顧客に伝わる言葉に整理するマーケティングコンサルタントです。

私の事業について、WWPFという4つの視点から診断してください。

  • What:顧客は何を手に入れられるのか
  • Why:なぜ、その成果が実現できるのか
  • Proof:その成果を裏付ける事実は何か
  • Fit:どのような顧客に適しているのか

ただし、最初からWWPFを埋めようとしないでください。

次の手順で、私に質問しながら進めてください。

【第1段階:実際の成果を確認する】

顧客が利用前にどのような状態で、利用後に何が変わったのかを確認してください。

抽象的な説明ではなく、実際の事例を優先してください。

【第2段階:具体的な行動を確認する】

「その成果を実現するために、今具体的に何をしていますか?」という質問を中心に、実際の行動、手順、工夫、判断を確認してください。

私が「丁寧に対応している」「一人ひとりに合わせている」などと答えた場合は、具体的に何をしているのか追加で質問してください。

【第3段階:行動の背景を確認する】

実際の行動が明らかになってから、その理由や判断基準を質問してください。

私が当たり前だと思っている行動にも注目してください。

ただし、私の説明を無条件に正しいものとして扱わないでください。

【第4段階:成果との関係を検証する】

確認できた実績と、成果が生まれた理由についての仮説を分けて整理してください。

因果関係が確認できない場合は、確認できていないと明示してください。

【第5段階:顧客との適合性を確認する】

どのような顧客に適しているのか、反対にどのような顧客には適していないのかを整理してください。

【第6段階:WWPFに整理する】

ここまでの対話をもとに、What・Why・Proof・Fitを整理してください。

それぞれについて、確認できた事実、仮説、不足している情報を区別してください。

【第7段階:コピーを作成する】

最後に、確認できた情報だけを使って、次の3種類を作成してください。

  1. 短いコピー:顧客の関心を引くための文章
  2. 中程度のコピー:ベネフィットとメカニズムを簡潔に説明する文章
  3. 長いコピー:WWPFを含め、顧客が判断できるだけの情報を提供する文章

存在しない実績や、確認できていない成果を作り出さないでください。
また、競合との違いについても、比較できる情報がなければ断定しないでください。
質問は原則として一度に一つずつ行い、私の回答に応じて深掘りしてください。


このプロンプトで重要なのは、AIにすぐに答えを出させないこと。
特に、実際の行動を確認する前に「あなたの強みはこれです」と決めつけないようにしています。

事業者が語る強みと、実際に顧客に価値を生んでいる行動は、必ずしも一致しないからです。

また、AIが提示したメカニズムについても、それが実際の事業に存在するものなのか確認する必要があります。AIは、事業者の代わりに事実を作るための道具ではありません。

すでに存在している価値を発見し、整理するための道具として使うことが重要です。

WWPFでコピーを作ると、何が変わるのか?

ここで、簡単な例を考えてみます。

ある英会話教室が、次のようなコピーを使っていたとします。
「楽しく学んで、英語が話せるようになる!」

このコピーにはWhatが含まれています。
しかし、Why・Proof・Fitはほとんど説明されていません。

では、WWPFで整理するとどうなるでしょうか。

What

英語を理解し、自分で英文を組み立て、自分の考えを英語で表現する力を育てる。

Why

少人数で生徒の理解を確認しながら、すぐに正解を教えるのではなく、主語や時制、語順などに気づくためのヒントを与える。

その上で、生徒自身が英文を組み立てる練習を重ねる。

これは実際に行っている指導方法の説明です。

ただし、この方法がどの程度成果に寄与しているかは、別途検証する必要があります。

Proof

実際に英語を使った経験や、生徒の成長事例、長期継続した生徒の変化などを紹介する。

ここでは、確認できる事実だけを掲載します。

Fit

単に英語に触れる時間を増やしたいという家庭よりも、英語の仕組みを理解し、自分で使えるようになることを重視する家庭に適している可能性がある。

この4つを整理すると、例えば次のような説明ができます。

英語を覚えるだけでなく、自分で考えて使えるようになることを大切にしています。

当教室では、すぐに正解を教えるのではなく、生徒が自分で気づき、英文を組み立てられるようにヒントを与えながら指導しています。

少人数で一人ひとりの理解を確認しながら進めることで、英語の仕組みを理解し、自分で表現する力を育てることを目指しています。

実際の生徒の成長事例や、長期間の学習を通じた変化も紹介しています。

英語をただ楽しく体験するだけでなく、理解し、自分で使えるようになることを大切にしたいご家庭に、当教室の考え方を知っていただければと思います。

これは、短いキャッチコピーよりも多くの情報を含んでいます。

顧客は、単に「英語が話せるようになる」という主張を読むのではなく、どのような考え方で、何をしている教室なのかを理解できます。

そしてAIも、参照できれば、この情報を顧客の質問に応じて整理できます。

例えば、「英文を自分で作れない子どもに合う教室は?」という質問に対して、指導方法との関連性を説明する材料になります。

また、「英語を楽しく体験することを重視したい」という顧客には、別のタイプの教室も検討するよう提案できるかもしれません。

これが、私の考えるWWPFの価値です。
単に売れる言葉を作るのではありません。

顧客が自分に合う商品やサービスを判断できるだけの情報を用意することができ、それをAIにも理解してもらえる、まさに「AI時代の伝え方のフォーミュラ」と言えるのではないでしょうか。

AIに選ばれる前に、顧客に選ばれる理由を持っているか

ここまで、AI時代のコピーライティングについて考えてきました。
しかし、最後に強調しておきたいことがあります。

それは、AIに選ばれることを目的にしないということです。

最近は、AI検索で自社を推薦してもらうための方法が注目されています。
もちろん、AIが顧客の商品選択に関わるようになるのであれば、AIに自社の情報を正しく理解してもらうことは重要です。

しかし、そのために特別な言葉を作ったり、AI向けの主張を増やしたりすることが、本質的な対策なのでしょうか。

私は、そうではないと思っています。

まず必要なのは、顧客にとって価値のある商品やサービスを提供していること。
そして、その価値がどのような行動や仕組みによって生まれているのかを明らかにすること。

さらに、実際の成果を確認し、どのような顧客に適しているのかを説明することです。

それらを丁寧に言語化した結果として、AIにも理解できる情報が増えていく。

この順序が重要だと思います。

AIが普及したからといって、事業者の価値そのものが変わるわけではありません。
しかし、その価値を顧客に伝える方法は変わる可能性があります。

これまでは、顧客に読んでもらうために、できるだけ情報を短くすることが重視される場面がありました。

これからは、顧客が必要な情報をAIに取り出してもらえるのであれば、最初から情報を削る必要性は小さくなるかもしれません。

むしろ、詳しい情報を持っている事業者のほうが、さまざまな顧客の質問に対応できる可能性があります。

ただし、長いコピーを書けば自動的に集客できるという話ではありません。

AIが情報を参照できること、内容が正確であること、顧客の課題に関連していることなど、複数の条件があります。

また、短いコピーが不要になるわけでもありません。
短いコピーは、最初の関心を引くために引き続き重要です。

私が提案したいのは、短いコピーを捨てることではありません。

短いコピーしか持たない状態から、必要に応じて短くも長くも説明できる状態へ変えることです。

そして、その土台となるのがWWPFです。

  • What:顧客は何を手に入れられるのか?
  • Why:なぜ、その成果が実現できるのか?
  • Proof:その成果を裏付けるものは何か?
  • Fit:どのような顧客に適しているのか?

特にWhyについては、事業者の主張をそのまま受け取るのではなく、実際の行動から確認することが重要です。

「それを実現するために、今具体的に何をしているんですか?」

この質問から、本人も気づいていなかった価値が見つかるかもしれません。

そして、その価値が顧客にとって本当に重要なものであれば、そこから競合との違いを説明できる可能性があります。

AI時代のコピーライティングとは、AIを使って魅力的な言葉を大量に作ることではない。

自社が実際に提供している価値を発見し、その価値が生まれる仕組みと裏付けを、顧客が判断できる形で伝えること。

私は、その重要性がこれからさらに高まっていくのではないかと考えています。

今日明日にできる、最もシンプルな一手

自社のWebサイトやチラシに書かれている主張を、一つ選んでみてください。

例えば、「一人ひとりに合わせたサービス」でも構いません。

そして、自分にこう質問してみてください。

「それを実現するために、今具体的に何をしているんだろう?」

実際の行動を3つほど書き出してみましょう。
その中に、顧客がまだ知らない自社の価値が隠れているかもしれません。

その価値を見つけることが、AI時代のコピーライティングの第一歩になると私は考えています。

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