こんにちは。 鈴木貴之(@shiogamabtc)です。
今回ご紹介するのはこちらの本。
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新書なので800円以下という値段ですが、この中には著者の体験と学術的知見からくるアイデアがたくさん詰まっています。
この本は、
時代が変わりビジネスも変わっている。
での具体的にどう変わっているのか分からない。
そして、変わっていく時代に対してどうしたら良いのか分からない。
という時に読んでほしい本です。
人は心の豊かさを求めている
第二次世界大戦後、日本は朝鮮戦争を経て高度成長期を迎えました。
その時に日本人は物質としてのモノを求めていました。
車・クーラー・カラーテレビが3種の神器と呼ばれていた時代で、それを持っているだけでステータスとなるような時代でした。
それが今ではクーラーはともかく車もカラーテレビも所有していない、と言う若者が増えてきている時代です。
間違いなく時代は変わってきています。
昔は所有することが価値だっでした。車を持っていること、そしてさらに進んで誰もが憧れるような車を所有していることは自慢でした。
でも今ではシェアリング・エコノミーという言葉が台頭してきて、逆に「持っているのは格好悪い」という考えも現れてきました。
家を持つことがステータスだった時代もあります。今でもその傾向はありますが、「持ち家は資産じゃなくて負債だ」という考え方も浸透し始めています。
昔は誰もが求めているものが一緒でした。でも、今は一人一人がそれぞれのものを求めています。人によって求めるものが全く違う。これが当たり前の時代になりました。
そういう中で、伸びているお店が売っているもの。それが何かと言うと、著者の小坂先生はこのように言っています。
しかしこうして見てみると、現代の消費者の欲求も(そして今後の欲求も)実に明快だ。それはたったひとつ、「心の豊かさを求め、毎日の生活を精神的に充実させ楽しみたい」のである。
P. 43
モノが売れない時代
今、「モノが売れない時代」だと言われています。
でも「新しい消費社会では新しい原理がはたらく」と小坂先生は言います。
そして、
新しい消費社会においてビジネス上、最も着目すべきポイントは、ビジネス現場では「常に需要のないところにあ新しく需要を作り出さねばらならない」すなわち、常にそして繰り返し、顧客価値の創造が行われるようになったということである
P. 90
と語られています。
あなたが売っているもの、その価値をきちんと伝える、言い換えてみれば、その価値を創造しないといけないということです。
私がコンサルティングを行う際に最も重要視しているのは、自社メッセージと顧客が合致しているかどうかを見ていきます。
それが合致していれば価値が伝わっています。
でもえてして、相談に来るクライアントさんは自社もしくは商品の価値を伝えられていません。
その価値を正しく見抜き、正しく伝えることで売れない商品でも売れるようになっていきます。
売れないというのは価値が伝わっていないか、そもそもその商品が顧客にとってどんな価値があるかをあなたが理解していないということです。
だから、そこを深堀していくことで、その商品が持つ価値を伝えられるようになります。そしてそれは、価値を想像している、価値の創造だと言えるでしょう。
だから、本質としては、実は「今はモノが売れない時代」ではないのです。
正しい価値が伝えられれば売れます。
でも、正しく価値を伝えるのが難しい時代なのです。
なぜなら、高度経済成長期はほぼすべての日本人が同じ方面を向いていましたが、今はそれぞれが別の方向を向いているからです。
「顧客のことを知らない」ということがあちらこちらで起こっています。
それは、特に以前の成功体験から脱却できていない場合に起こります。
高度経済成長期は作れば作るほど売れました。だから、いかに効率的に作るかが課題でした。
でも今は、いかに自分が売っているものの価値を見出し、それを伝えられるかが重要な時代なのです。
それができている会社はこういう時代でも成長できています。
そうは言っても、どうやって価値を創造したら良いの?
きっと、そう思われる方も多いと思います。
本書の中で、小坂先生は「6つのビジネスにおける成功要件」を提示しています(P.128)。
そしてひとつひとつを詳しく説明しています。
また、身につけるべき力として「感性」を挙げ、具体的に4種類の感性について語られています(P. 192)。
それは本書の実とも言うべきところですので、ここでは詳しく述べません。
ぜひ、本書を読んでみてください。
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