こんにちは。鈴木貴之です。
今日は、保育所の求人難とその解決策について考えてみたいと思います。
娘が通う保育所から来た会報に書かれてあったこと
先日、私の娘が通う保育所から、一つ興味深い通知が届きました。
それは、保育士の求人募集に関するもので、2022年度に200万円を求人に費やしたにも関わらず、採用できたのはわずか一人だったという事実が記載されていました。
そんな現状に驚き、どのように保育所は求人を行なっているのかを調査しました。
私は集客やマーケティングを仕事にしている為、なぜこのような状態になっているか気になったからです。
インターネット上で情報を集め、分析した結果、今のやり方ではなかなか良い人材を集めることは難しいという結論に至りました。
なぜなら、保育士の求人というのは、他の業種に比べて給料が低いという根本的な難点があるからです。
加えて、子供たちの保育という重要な役割を担うには、専門性と情熱が必要で、これらを強調する求人情報があまり見られないという事実もありました。
保育士の仕事は社会に貢献し、子供たちの成長を支えるという意義深い職業です。
しかし、そのような仕事の魅力がある職業でも関わらず、求人への応募が少ないのが現状です。
なぜか?
他業種と比べて見ても、子供の命を預かるというのは大きな責任です。
そんなに大きな責任を負う仕事は中々他にはありません。
保育士の求人は簡単ではない、という事実を理解しなければならないのです。
だからこそ、どうしたら良い人材を集めることができるのか、そしてそれがただの求人でなく、保育士としての仕事の魅力を伝え、魅力がある仕事であることを伝えることが必要なのです。
保育所の求人で提示する必要がある3つのもの
そのためには、まず、保育所からどのような情報が出されているかが重要です。
求人者から見ると、重要な情報は3つあります。
1つ目は、どのような人が保育所を経営し、どのような考え方で保育を行っているのか。
2つ目は、職場環境や人間関係、上司との関係性などです。
そして3つ目は、その保育所で働くことでどのようなキャリアが開けるのか、という点です。
多くの保育所は、社会福祉法人のような組織で運営されていますが、そのトップの人がどのような思いで保育を行っているのかを具体的に語っている例は少ないです。
実際に様々な保育所の求人情報を見てみましたが、正直トップの人が保育という事業への情熱を語っているものは皆無でした。。。
そして、その保育士の人たちにどのように働いてもらいたいのか、どのような指導を望んでいるのかということも伝えられていません。
次に、職場の人間関係ですが、これは非常に重要です。
どのような人と一緒に働くのか、上司はどのような人なのか、それらを知ることができると求人者にとっては非常に役立ちます。
そのため、現在働いている職員が自分たちの職場環境や人間関係について語る動画などを作成し、公開することが有効です。
動画は文章とは違い嘘を付けないからです。
上司と部下、もしくは同僚同士が話をしている動画を見た時に、そこの人間関係が悪ければ、それは必ず動画に現れるからです。
(だから、本質的に良い職場でない限りは、良い人・情熱をもって保育ができる人が集まらない)
そして、キャリアの選択は誰にとっても重要なステップですが、特に若い人々にとっては、その先の人生を大きく左右する選択となります。
保育所の経営者もこれを理解し、求人に対する応募者の心をつかむために、しっかりとしたキャリアプランを提示しなければならないというのが今の時代のトレンドです。
一生同じ職場で同じ仕事をしているだけでは、自分自身の成長はありませんし、そのような提案しかできないとしたら、保育所側としても優秀な人材を引きつけることはできないでしょう。
「うちで働くと、3年でこうなる、5年でこうなる」といった具体的なステップを見せることで、応募者に希望を与え、モチベーションを高めることが可能です。
「将来が提示できない場所」でこれから先、何年も、何十年も働きたいとは思ってもらえません。
キャリアプランの提示ができる保育所は、だから求人に置いて非常に有利になります。
保育所の求人情報は動画で出すと効果が高い
そして、今どきの時代では動画やホームページなどを通じて、企業の魅力を伝える必要があります。
応募者が判断できる材料、例えば責任者の人柄や企業の人間関係、キャリアパスなど、具体的な情報をしっかりと提示しなければ、人材は集まりません。
そういうのを提示していないのに、広告で集客しようというのは難しいのです。
なぜなら、広告はあくまでも「知るきっかけ」です。
自分の保育所の求人を知ってもらっても、それが求人者の目に魅力的に映らなければ、申込が来るはずがないのです。
保育所の求人の有効な方法とは?
次に、具体的な話をしたいと思います。
なぜ私がこの話が出来るかというと、インターネット・マーケティングの分野で結果を出しているからであり、その考え方は求人人も使えるからです。
一般の集客も採用も基本的には、見込客・求人者に自分のことを知ってもらい、理解してもらい、高い確率でこちらが取ってほしい行動をしてもらう、という形で成り立ちます。
そして、今の時代、集客・採用には次の方程式が成り立ちます。
アクセス x 成約率 = 集客・採用数
娘が通っている保育所は、広告宣伝費で数百万円を掛けているということはアクセス(求人者への認知)は十分あったのではと考えます。
それでも採用に至る人数が少なかったのは、「知った人が採用に至るまでのプロセスのどこかで次のステップに進まなかったところがあるから」です。
実際、検索を掛けてみると、この保育所はいくつかの求人サイトで求人情報を掲載されておりますが、これは「アクセスを集める施策」です。
しかし、この求人が気になった方が「社会福祉法人●●●会 求人」と検索して、検索結果に表示される情報をいくら見ても、どのような職場なのかの情報があまりにもないため、そこで行動を止めている可能性があります。
これから長く働きたいと思っているような求人者であればあるほど、「どういう職場なのか」という情報を重視する傾向にあるのは言うまでもないかと思います。
そういう人は入ってすぐに「合わない」と思って辞めたいとは思っていないので、しっかりその園のことを理解してから就職につながる行動を開始する傾向にあります。
特に最近の若い方は「直接連絡をして情報を取る」ということをあまりしないと言われています。
つまり、インターネット上の情報だけで判断する人が多いということ。
そこに情報がなければ「その園の事を知っていても、検討に入らない」という状態になります(通常はいくつか気になる園や会社をピックアップして検討していきます)。
そう考えると、この保育所の現在のリクルートページは情報が少なすぎます。
もし本気で採用を強化していきたいというのであれば、求人用サイトを作り、そちらで求人用の情報を発信し、働き甲斐を伝えることで「興味を持ってくれた人がどういう場所なのかを知り、「ここで私も働きたい!」と思ってもらい、お問合せをしてくる」仕組みを作るのがベストです。
保育所の求人の為に具体的に行うべきこと
採用をしていくに当たり重要なポイントは3つで、下記の2つの情報を伝えることです。
1.経営者はどういう人?
2.疑似体験・・・実際どういう職場なのか?
そしてその上で、
3.競合がしていないことをする
これをする事で他の園が採用に苦戦していても、自分は採用に困らなくなることができるようになります。
より詳しく説明します。
1.経営者はどういう人?
多くの事業所では経営者が自分の考えを求人ページで発信していることはありません。
でも、そこで働く予定の人はトップの人がどういう人なのかを知りたいと思っています。
特に保育所の場合は子どもに関係する仕事ですので、子どもへの保育についての考え方をしっかり伝えて、どういう考え方を元にどういう指導をしているのかを伝えることはとても重要です。
また、その会社・園が将来性があるのか、そういうことも見ています。
就職とは『自分の人生をそこに掛ける』という側面を持ちます。
特に今の若者は「自分の人生を掛けられる場所なのか?」という意味で就職を考えている事が多く、特に優秀な求人者はこの傾向があります。
本当に社会に、顧客に、職員に価値を提供したいと考えている経営者であれば、それこそ伝えたいことはたくさんあるはずです。
でも、それは伝えないと伝わりません。
また「応募してから伝えればいい」と思っているかもしれませんが、それでは遅すぎます。そういう情報がないからそもそも応募しないという状況である可能性があるからです。
ちなみに、これは大企業のように社長がちょっと格好いいことを文章にして写真と一緒に載せるということではありません。
大企業はそれでも採用できますが、それは大企業であるがゆえです。大企業と同じことを中小がやっても採用できません。
また、多くの場合採用の競合は「他の保育所」ではありません。
競合は「優秀な人材を採用をしたいと思って行動している他のすべての事業所」です。
保育士資格を持っているからと言って、必ずしもその資格が活かせる場所で働く必要はないからです。
保育士資格を持っていたとしても、他に条件が良くて働き甲斐がありそうな場所があればそちらに人が流れるのは自然なことです。保育士資格を持っているとしても、違う仕事をしている人はたくさんいるでしょう。
保育士の仕事がいかに社会の役に立つ素晴らしい仕事か、子どもたちと関わる仕事がどれほど働く人にとってプラスなのか、そして自分の所で働くことがその人にとってどういうメリットがあるのか。
その発信ができるのはトップだけです。
だから、そういう情報を発信していくことが大事です。
2.疑似体験・・・実際どういう職場なのか?
一般的に、求人者はこのように考えています。
「求人情報なんて表面的な情報でしょ? 全部を信じることなんてできない」
つまり、最初から疑われている状態です。
「アットホームな雰囲気の職場です!」
なんて誰も信じていません。むしろ「そういう所は避けろ」と思われています。
そのような中、疑いを消すことができなければ求人者は先に進みません。
だから、トップが自分の考えを発信していくと同時に、下記のような情報発信をしないといけません。
● その求人で募集している職種の直属の上司はどういう人?
● 職場の雰囲気・・・実際に働いている人の人間関係は?
● 未来の自分・・・そこで長期働くと自分はどうなるのか?
実際に働いている人で、3年目の人、5年目の人、10年目の人
キャリアプランはあるのか?
このあたりの情報を出していきます。
その際にもっとも効果があるのは動画です。
上司がどういう人なのか。考えを発信する
職場の人同士がお互い話をしている場面
先輩の「実際に仕事をしてみてどうなのか?」「今している仕事」の話
そういったものを伝えていくことで、「実際に働かなくても働いているような感覚」を与えられます。
動画が良いのは、職場の人がカメラを前に話すのを見た時にそこにある雰囲気が本当に良いものなのか伝わります。これは文章ではできないことです。
そうすると、よく理解した上で求人への申込をしてくれるようになるので、よりマッチングした求人者が集まるようになります。
その結果・・・
● 採用率アップ
● 最初から適した人材が来る
● 大手に勝てるようになる
のです。
(最後に関しては、「人は知らない天使より知らない悪魔の方が安心する」という心理を突いたもので、よく知らない会社の好条件な求人より、(動画を通して)よく知っている会社で働きたいと思うからです)
3.競合がしていないことをする
競合は同じ業種の競合と、その他求人を出している会社の両方があります。
それらに勝つには、それらと同じことをやってはいけません。
同じことをしたら、同じ条件での戦いになるからです。
(例えば採用条件など)
そうすると、より良い条件の方に求人者は引っ張られてしまいます。
だから、競合がしていないことをする、つまりここでご案内したような情報発信が必要になります。
特に動画を使ったものはほとんどどこもしていませんので、今始めると大きな結果を残せる可能性が高いです。
また、多くの場合自社サイト内に求人ページ1つ作って終わりというところが多いです。
これに対して、求人サイトを作ることでその地域の求人の検索に強くなります。
また、動画を撮りYouTubeにアップすることで、若い人が良く時間を使っているYouTube内で強くなります。
検索結果に強くなり、YouTubeに強くなれば、「競合がいない場所」で自社の採用情報を発信していくことができるようになります。
また、このような情報発信はじっくりと見てくれることが多いので、よく理解した上で連絡してくれ、ほぼ「ここで働きたい」という人が集まるのでその後の採用プロセスが楽になります。
これを私は「求人システムを構築する」と呼んでいます。
求人システム構築で得られる7つのもの
1.採用コストが0に近づいていく
2.マッチング率の高い人が集まる
3.採用できない人材のために使うコストが無くなる
(採用できないような人からの求人が来にくくなる)
4.優秀な人材が集められる
5.ネガティブな人材、すぐに辞めてしまう人材によるコスト・リスクが削減できる
6.欲しい時に募集を掛ければすぐに集まるようになる
7.やる気も能力もある人だけを採用できるようになる
このシステムが役に立たない会社・事業所の特徴
・顧客(子どもと保護者)にしっかりと価値を提供できていない
・従業員を幸せにできない事業所
※ どんなに良い内容で情報発信をしても、実際に働き始めた後に真実が分かってしまう為。
このシステムは誰のためのものか
・顧客に最高の価値を提供し、働いている人を尊敬し、尊重して、最高の環境を提供している・したいと思っている事業所
もし、本年度「求人を何とかしたい!」「優秀な人に来てもらえるような仕組みを作りたい」という場合は、一度お話させていただけましたら幸いです。
お会いできることを楽しみにしています。
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